演繹帰納する社会人日記

生き方が定まっていない都内在住20代後半です。

Jazzとわたし③

なんと、ほぼ1ヶ月放置してしまった。

前回更新を上回るズボラっぷりだ。ただ、今回は言い訳をしたい。

 

転職活動をずっとしてました!

 

5月下旬に興味がある企業の求人の募集がかかっていて、職務経歴書作成や面接対策に奔走していたのです。

それで6末になんとか内定しました。やっててよかったビズリーチ

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吉谷彩子クンかわいいですありがとう

個人的には家から徒歩でもなんとかいけるし給料上がるし残業時間も劇的に少なくなるしすごく良い転職ができたと思っている。

(勿論、入社してからが本番だし、求めるパフォーマンスもシビアなんだけど)

ここら辺は備忘も兼ねて別途記事にしようと思ってます。

さて本編。

 

Sちゃんに淡い恋心を抱いた僕は、ベースの音もとても甘い音色になった。

秋の文化祭では、Sちゃんをフロントプレイヤーに入れてコンボ(少人数編成のバンド)を組むことになり、練習やその後のご飯など、必然的にSちゃんとの会話も増えていった。

みんなにばれないようにこっそりデートに誘って、音楽以外のいろんな話をお互いした。彼女の言葉、所作一つ一つが宝石のように尊かった。

家に帰ったら

「あそこであんなこと言っちゃったらマイナスの印象だったな。」

「あのマイナスを打ち消すためにメールはこんなニュアンスで返そう」

みたいに、一喜一憂しては頭をフル回転させて反省と今後の施策を打っていた。

恋愛工学的に言えば、お手本のような非モテコミットぶりだった。

 

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ただ、バンドの完成度は上がっていき、文化祭本番も無事成功裏に終わった。

そして、大学2年の11月に満を持して告白した@新宿のサザンテラス

 

結果はOKだった!!

 

僕の人生で初めて恋が実った瞬間だった。

人生を振り返ると、本当にシャイな男だった。好きな女の子ができてもなんのアプローチもできず、潰えた恋は数知れず。

そんな中、自分の力で恋を成就させたことは自分にとって、特別な出来事だった。

 

付き合ってからは間違いなく、お客さんに向けてというよりは、いかに彼女からみてかっこいい様になっているかを意識して演奏していたし、もっというと日常の振る舞いや所作全てがSちゃんの男として恥ずかしくないように磨きがかかっていた・・・ように思う。

 

ただ、僕は気づかないうちに過ちを犯していた。

 

僕の愛が重すぎたのだ。

 

初めて成就した恋愛を失いたくないことに頭がいっぱいで、彼女に愛情をぶつけ過ぎてしまっていた。恋は駆け引きだし、エゴとエゴのシーソーゲームだったのだ。

 

中高時代にミスチルを一切聴かなかったことがこんなとこで仇になった。

 

僕の恋はわずか2ヶ月で幕を閉じた。

 

 

そんな傷心中の最中であったが、大学2年の3月にレギュラーバンドのオーディションが控えていた。

ここで落ちたら僕は学バンをもうやらない覚悟でいた。

他大学のレギュラーバンドに乗るという選択肢もあった。しかし、どうしても愛着あるこのサークルで音楽を続けることに意味があるように思えてならなかった。

 

また、このオーディションの課題曲の一つはDolphin danceだった。

僕がビッグバンドジャズに憧れて、コントラバスを始めるきっかけになった、恩人のような曲。そんな曲を、ジャズ生活の一つの節目で演奏することになったことに、不思議な縁を感じた。

 

受かるか受からないかにかかわらず、その恩に報いるべく、精一杯自分の演奏しようと誓った。失恋の傷心から立ち直るべく、無我夢中で練習した。

 

・・・そして迎えた本番。

3月に入るもまだまだ肌寒かったのを覚えている。

僕は自販機で買ったレモネードで指先の冷えと緊張をほぐしながら自分の出番を待った。

僕の前の演奏者は同期のゴリラ。

抜群のピッチとファットでリッチな音色はレギュラーとしての十分な演奏だった。

 

続いて僕の番。。。

「演奏中は楽器と身体が一体となるように。」

「楽譜を目で追うのではなくて、自分が伝えたいことを音に乗せる」

「ピアノ・ドラムとの無言のコミュニケーションを通してストーリーを展開する」

 

僕がプレイする際にもっとも大事にしていることだ。

愛を伝えるエロい演奏はできなかったが、その時の僕はジャズに出会えたことへの惜しみない感謝をなんとか音に乗せていた。

この日、間違いなくジャズ人生で一番の演奏ができたと思った。

3日後の朝、寒くて曇天だったあの日。新レギュラーメンバーを告げるメーリングリスト、つまりオーディション結果が僕にも届いた。

 

・・・そこには僕の名前はなかった。

 

「あー。おわったかー。」

 

そんなもんだった。

もう僕が憧れていたYAMANO BIGBAND JAZZ CONTESTで演奏することはないし、大学を代表してバンド活動をすることもない。

 

懇意にしてくれる先輩がこっそり総評を教えてくれた。演奏技術はゴリラと互角か、少し僕の方が上。ただ、ドラム・ピアノメンバーとの呼吸や間合いの合い方がゴリラより劣っていたため。

とのということだった。

 

ゴリラはコンボ編成でもいろんなバンドを組んで演奏活動をしていたため、そこでのスキルが結果として差になっていたのだ。

 

文字どおりの完敗だった。

 

・・・半年が経ったある日。

大学3年からはインターンや専門課程に集中したかったので、一旦音楽からは距離を置いていた。

そんな折に、上述の懇意にしていた先輩からメールが入った。

 

「一緒にもう一回ビッグバンドやろうよ!」

 

学バンではないけど、様々な大学のOBOGが集まって編成されたバンドで偶然ベースで空きが出たのだ。そこに乗っていた先輩が僕を誘ってくれた。

一旦は迷ったが、乗ろうと思った。

やっぱり、演奏中のお客さんの熱狂やアドレナリンが分泌される様を、そう簡単二忘れることができなかったから。また、ジャズをサークル時代の一過性の趣味ではなく、ライフワークにしていきたいと思ったから。

あの日以来、そのバンドや他にも社会人になって新たに組んだバンドのおかげでいろんな曲や人、場所に、ジャズは連れて行ってくれた。

そして、今後もお客さんが思わず

"Yeah!"

と言ってくれる演奏をしていきたいと思っている。

まだまだジャズ人生はこれから!!

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【未完】

 

またまた、thad jones & mel lewis jazz orchestraの音楽を貼っておきます。

Mean what you say

という曲です。がこれは言葉遊びで、並べ替えると

Say What you mean!(思ったことをはっきり言おう!)

となります。

音楽で大事なのは、自分の思いを音色に乗せて伝えることだと思ってる。それが相手の心を動かすんだ、と。


Vanguard Jazz Orchestra - Mean What You Say

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jazzとわたし②

前回更新から、早いもので3週間経っている。。

最近時間の流れがものすごく早く感じる。だってさっきまでぶらり途中下車の旅見てたと思ったのに、もう有吉反省会というね。

忙しない毎日だけど、また少しだけ過去の青春のひと時にタイムスリップしよう。。

さて、童貞の夢を打ち砕くゴリラのような男が同期となったわけだが、この男がウッドベースがめちゃくちゃ上手い。

聞くところによると、高校時代にすでにビッグバンドを経験済み、エレキベースをかき鳴らしていたとのことでピッチ(音程)、リズム感、ファットな音、全てが完全に仕上がっていて、すでに他大学ならレギュラー※も勤められるレベルであった。

しかも彫りの深いゴリラで、なんと彼女もいた。

 

※ビッグバンドには、YAMANOビッグバンドジャズコンテストという、大学生ビッグバンド(通称学バン)の甲子園的なイベントがあり、それに出られるのが各大学のレギュラーバンドである。レギュラーバンドはサークルの顔として、プロミュージシャンとの共演や出張演奏活動、各大学の学園祭を演奏行脚したりする。レギュラーの対義語がジュニアであり、演奏機会は豊富にあるが、上記のような大学の「顔」としての演奏活動はできない。

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YAMANOビッグバンドジャズコンテスト 演奏風景

※ちなみに、彼は大学を卒業後、大手企業に勤めていたが1年で脱サラ、現在はIT分野で個人事業主をしながら、プロとして演奏活動をしている。

 

「彼に勝たないと、バンドのレギュラーになれない・・・」

入部して早々、絶望感と焦燥感に苛まれたのを覚えている。レギュラーというのはそれほどジュニアメンバーにとっての憧れの的なのだ。

 

僕は、ゴリラに勝たんと猛練習した。

大学の授業が終わったら、ひたすら練習室にこもり練習に明け暮れた。

理想は、自分の身体と楽器が同化するイメージだった。

 

・・・月日は流れ、2年生に。

猛練習の成果か、ある程度納得のいく演奏をできていた。3年生になったら、うちの大学のレギュラーオーディションを受けてほしい、と誘ってくれる大学も現れた。

しかし、僕はどうしても所属大学でレギュラーになりたかった。

実は各大学、それぞれ演奏する曲目には個性があり、自分の大学ではThad jones & mel lewis jazz orchestraというバンドの曲を狂ったようにやっていた。

ぼくはその曲たちが大好きで、前のブログでも紹介したDolphin danceも同バンドの演奏なのである。

 

「ジャズに惚れたきっかけの曲を、大学の顔としてみんなの前で演奏したい。」

 

そんな純粋な思いがあり、僕は同じくレギュラーを目指すであろうゴリラに勝って、レギュラーになる必要があった。

 

しかし、どうしてもゴリラにあって、私にないものがあった。

それは音の質であり、もっと言うと「エロさ」である。

 

・・・音楽というのは不思議なもので、その人の感情・完成がそのままダイレクトに音色に現れる。ことジャズにおいては、「エロい音」というのが好まれる傾向にある。セクシーでリッチな音色のことだ。

そして、実は楽器を問わず誰でも「エロい音」をだすことの出来る秘訣がある。

 

 

それは、”恋”をすることだ。 

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音というのものを、

・一度出したら空気中に離散するものとしか考えられないか、

愛する人をイメージして、その人に一音ずつ届けたいものと捉えるか、、

想像力が音色を大きくかえるのだ。

 

ゴリラには大切にしている彼女いる。一方、その頃の私は佐山愛クンの痴女モノAVにはまる童貞である。AVはエロいが、AVをどれだけ見てもエロい音は出せない。

 

ゴリラの音には技術的な卓越さのみならず、問答無用に人を惹きつけるエロさがあったのだ。そりゃあ勝てない。

 

 

 

しかし、そんな私にも恋をする転機が舞い降りたのである。

急遽サークルに入部したSちゃん。小柄で清楚で、吹奏楽で鍛えたテナーサックスは、すでにレギュラークラスの素養を持っていた。

最初は何も思わなかったが、ある日夢にSちゃんが出てきて、そこから急に気になり始めた。会うだけでドキドキが止まらなかった。ラブストーリーは突然始まったのである。

 

・・・僕のベースの音色はいつしか、Sちゃんにだけ届いて欲しいもの変わり始めていた。

 

 

つづく

 

(おまけ)

好きなthad jones & mel lewis jazz orchestraの音楽を貼っておきます。おやすみなさい。


Compensation - Mel Lewis Jazz Orchestra

 

 

 

 

 

 

 

Jazzとわたし①

ぼくはジャズが好きで社会人になっても定期的にウッドベースを弾いている。

女の子に話すと食いつき上がるし、演奏は滅茶苦茶楽しいし、やっててよかったー!と思ってる。

ただ、この世界は本当に深くて命燃やして曲作ったり演奏したりしている人がたくさんいて、それに比べるとぼくは深い海の波打ち際で横歩きしてるカニみたいな存在で、「ジャズ楽しいぜ!最高!」だなんてその人々の前では口が裂けても言えない。

ただ、やはりすきなものは好きなので、このブログで自分の人生とジャズとの関わりを記したいと思っている。そのなかで少しでもみなさんにも好きになってもらえたらと思っている。

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家にあるウッドベース。みんな楽器に名前をつけていたので僕も「樹里」という名前をつけた。上野樹里が好きだったからただそれだけだ。

ジャズとの出会いは大学の時だった。

ぼくはもともと3歳からピアノをやっていたものの、大学入学するまではクラシックオンリーだった。ちなみに弾いた曲の中で一番好きだった曲は悲愴の第三楽章だ。

 

大学に入学するために愛知から上京するタイミングで、一人で完結するクラシックピアノではなくてアンサンブルがやりたくて、軽音・オーケストラ・吹奏楽・そしてジャズのビッグバンドを見た。

 

軽音→

僕の大学のサークルは5〜6団体くらいあるが、その中で突出して上手いサークルが2団体あった。最初はそこに行きたかったのだが、レベルがあまりに高いのと女の子がキャピキャピしすぎており、当時バキバキの童貞であった僕は妙な忌避感が働いて断念した。

 

オーケストラ→

先輩「こんにちは!楽器経験者かな?」

僕「ピアノはやっていたんですが、アンサンブルがやりたくて、、オケの楽器は全て未経験です!」

先輩「ピアノやってるならすぐ楽器も上達するよ!どんな楽器がやってみたいの?」

僕「低音が好きで、コントラバスとかいいですね!」

先輩「へー!今ちょうど楽器あるから試しに弾いてみる?」

僕『ブ....ブゥーン(楽器の音)』

先輩「すごい!最初から音出るなんてなかなかセンスあるんじゃない??」

僕「えへへ、そうですか///?ちなみに入ったら楽器は貸し楽器あるんですか?」

先輩「あ、コンバスはないんだよね〜だから買ってもらうことになるけど、だいたい20万円くらいあれば買えるかな?」

僕(そっとサークルブースを後にした。田舎の貧乏学生に20万円の初期投資をする勇気と経済的余裕はなかった。ちなみにコントラバスは音を出すだけなら誰でもできる。)

 

残りの吹奏楽とビッグバンドサークルで迷った。

どちらも大所帯でダイナミックなアンサンブルができそうだし、何しろコントラバスの貸し楽器があるので初期投資をしなくてもよかった。

決めあぐねた中で、どちらのカラーが自分がワクワクするか、吹奏楽とビッグバンドジャズでそれぞれ曲を聴き比べてみることにした。

そのなかで聞いたジャズの「Dophin dance」が、僕の中に電気を走らせたのは今でも覚えている。

夜中に一人ポツンと6畳のアパートで聞いたあの曲が僕にジャズを始めさせた。


Mel Lewis Jazz Orchestra / Dolphin Dance

(ビッグバンド版)


Herbie Hancock - "Dolphin Dance"(Maiden Voyage,1965)

(こっちは少人数編成(コンボという)版)

 

 

「これだ!しかもジャズはアドリブとかできるようになったらかっこいいじゃん?もてるじゃん??」

 

と、童貞であった僕はウッドベース(ジャズでは、コントラバスウッドベースということが多い)でたまたま同じ初心者で新入部員の女の子と切磋琢磨しながらいつのまにかお互い惹かれあい恋に落ち、夜のセッションで童貞を卒業するところまで妄想を進めていた。

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僕のチェリーを捧げる予定だった妄想上の女の子

だが、実際入ってきたウッドベースの新入部員は体重80Kgを超える男だった。

 

(次回に続く)

 

 

 

 

【金沢〜富山】一人旅備忘録(5月1日〜5月3日)③

いよいよラストです。

旅の備忘録、思い出の為に書いているけど結構大変。笑

 

⑦ホテル

ホテルは値段重視で

ホテルアルファーワン富山荒町

https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/14550/14550.html

入った瞬間に

 

「うわあ・・・」

 

って感じでした。

90年代にタイムスリップしたかのような色味のない内観、埃っぽさ。

金沢で泊まったホテルは受付のお姉さんもみなピシッとしていて美人さんだったんだけどここはよれっとしたおじさん。同タイミングにチェックインした人もよれっとしたおじさん×3。

あんまり確認していなかったけど喫煙室を選んでいたようで、部屋に入った瞬間タバコの残り香がもわあ!っと立ち込めてきた。

ちょっとテンション落ちたけど気がつけば18:30。

夕焼けのタイミングでどうしても行っておきたい場所があったので、シャワーを浴びてすぐに次の目的地へ向かった。

 

⑧富山環水公園

世界一美しいと評されているスタバがあるとのこと。

調べてみたら世界一の称号を獲得したのは2008年で、ストアデザインアワードというスタバ社内のコンペで選ばれたようです。ちなみにまだ3回しかアワードが実施されていない内容で、その他は

2010年 福岡大濠公園

2011年 太宰府天満宮表参道店

ということで、まあ、なんちゃってアワードのような気もしなくもない。

ただ、実際行ってみるとやはり胸打たれました。

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ぎりぎり日が沈む前に間に合った

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地べたに這いつくばりながら撮った写真

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周りはカップルだらけでした。当たり前か

こういう写真大好きだったので、これらが撮れただけで富山にきた価値があった。

ちなみにスタバは大行列だったので何も買わなかった笑

そのあと、新富町の海鮮料理屋に行った。美味しかったけどふらっと入ったお店だったので名前を覚えていない笑

 

その後お酒の勢いで音楽聴きたいなーと思いクラブで検索したところ

Mairo

という場所が富山では有名とのことで覗きに行った。

この日はダンスチームが集まって踊る日だったようで、ダンスを眺めながらお酒を飲んでいた。

その時に流れていた曲がめちゃくちゃよかったので貼っておきます。

これの"Deal with it Ⅱ"という曲がチルってた(16:30ごろ~)


J.Lamotta - "Suzume" (Full Album Stream | 2019)

 

宇奈月温泉

旅行の最後は温泉に入ろうと決めていた。

ということで最後の目的地は宇奈月温泉

新幹線で富山駅黒部宇奈月温泉駅まで行き、そこから富山地方鉄道に乗り換え。

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電車が可愛かったけど揺れがすごかった

宇奈月温泉駅に降り立つと噴水(温泉)がお出迎え 

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あったかかった

帰りの電車の関係もあり、宇奈月駅から宇奈月ダムまで歩き、帰りに温泉に入るというコースとした。

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赤い橋の下のぬるい水

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洞窟

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ちらり

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宇奈月ダム 想像以上にでかい

ダムの上からぼーっと、、景色を10分くらい眺めていた。

 

 

景色を見てたんだけど、必然、その景色を通して自分自身を見つめていた気がする。

 

 

・・・いいこといった気分。 

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宇奈月ダムの上で自然に抱かれた

 

一番の感動は宇奈月温泉だったかもしれない。

最近は本当にビルしか目に入らない日常だったので、陳腐な言葉だけど、自然と地球の偉大なスケールへの畏怖を感じた。

同時にそこへ共存し、ときには挑戦して日々懸命に生命を全うする人間の営みへの愛らしさすら感じてしまうくらい、自分の中では本来の感受性を取り戻せた旅でした。

 

またどこかにいったらレポートしたい。

 

【旅のお供】

今回の旅のお供はこちらでした。 

若林さんの人となりは、山里亮太さんのこちらの本で知った。

頭の回転が抜群に速い人だな、という印象が先行していたが、ものすごいこじらせている人で、山里さんとすごく似ている人だなと感じた。

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

 

若林さんなりの苦悩があって、人との出会いのなかでそれをどう克服(というか、苦悩をありのまま受け入れた?)したか、

かなり細かく描写して書かれていた。

すごくよかったので、どこかでブログで振り返りたいと思います。

 

・・・・・さて、洞窟を抜けた先には、夏の報せがありました。

今年も暑くなりそうだなあ。

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夏はすぐそこ

終わり







 

 

 

 

 

【金沢〜富山】一人旅備忘録(5月1日〜5月3日)②


武家屋敷通り〜兼六園〜ひがし茶屋街

二日目です。

ホテルで朝食を食べました。

いやこのホテル本当にアメニティ・インテリアどれもかなり洗練されて本当よかった。後ほど紹介する二泊目のホテルがかなり残念だったのでなおさら。

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おしゃな朝食スペース

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金沢名物のおでんも出てきた


さて、二日目は昨日回れなかった金沢市内の名所を巡るところからスタート。

まずは長町武家屋敷通り。ここはホテルからも近いので歩いて行きました。

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武家屋敷通りのメインストリート

武家屋敷通りではそれぞれ下級武士・中級武士・上級武士の屋敷の見学が出来るようで、僕は上級武士野屋敷を見学した。NHK大河ドラマでも取り上げられた(利家と松)の前田利家の家臣の野村伝兵衛信貞の屋敷で、廃藩される明治4年まで存続した由緒正しい家柄らしい。

保存状態が素晴らしく、特に中庭の植栽の手入れがとても行き届いていて外人たちがめちゃくちゃ喜んでいた。

 

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前田利家の家臣だったらしい

借景の庭がとても素晴らしかった。

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一通り見学した後、周遊バスで向かったのは兼六園

日本三大庭園の一つとして期待して向かったが、正直あまり感動しなかった。

庭の作りにはいろいろな思想が込められているようだけど、野村家の借景の方が感動した。石神井公園や砧公園、井の頭公園と同じじゃない?という風情のかけらもない感想しか抱けなかった。

ちなみに道中で買った金箔のアイスクリームは美味しかった。これで1000円は酷いと思ったけど。

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金沢最後はひがし茶屋通り。

ここは道幅が狭かったこともあって人がごった返していました。

金を全面的にフィーチャーした化粧品屋さんがあったり、キラキラ好きの私にはたまらない空間でした。何も買いませんでしたが。

f:id:nekonekozekun:20190504161125j:plainそしてここでも金箔ビジネスに屈してしまい金沢のクラフトビールと金箔を乗せたたこ焼きに1400円も貢いでしまいました。

汚い話で恐縮ですが、さっきのソフトクリームにつづき、宿便が金箔でキラキラ光っていないか大変興味深いです。これが本当の「黄金」なのですね。ちがいますか、そうですか。。

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たこ焼きは普通にうまかった

たこ焼きを食べたらそのまま周遊バスで金沢駅に帰り、富山駅に向かいました。

富山駅

富山駅!駅前が広い!!

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中もかなり開放的で二階の休憩スペースにはなぜか野生のピアノが放置されてました。

ところどころ鍵盤がめちゃくちゃ重くて全然曲を弾くことができなかった。

最近ゲリラピアノみたいなの流行っているからそれを真似したのかな。

【動画】駅のストリートピアノに一人の男性・・・ピアニストのゲリラ演奏だった?!

https://solasido-piano.com/piano-in-the-station-premises/

 

だったらもう少し目立つ公共スペースにおいた方がいいと思うぞ。それこそ駅前の広場とか。休憩スペースは本を読んだり勉強する人もいたから下手にピアノ弾かれると迷惑かもしれないぞ。

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なぜかKAWAI製

そんなこんなで次の目的地二向かいます。

富山市ガラス美術館

金沢の移動はバスが中心でしたが、富山市路面電車が中心です。本数も結構あって、大人200円でどこまでも乗車出来るようです。

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富山市地方鉄道の路面電車

富山市内は遠くにうっすらと雪をかぶった山脈(立山連峰)が見えるのが趣深い。

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うっすら見える立山連邦

そんなこんなでガラス美術館ちゃく!

外観ですでに隈研吾みが出ているが、中にはいると圧倒的に隈研吾ワールドが炸裂する。

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ラスボス感

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日展示されていたのは、こちらの二つ

http://toyama-glass-art-museum.jp/

と常設の作品。

ガラスアートって、幻想的ですごく好きで、ガラスの断面に見える小さな気泡が幾層にも重なって、まるで小宇宙を見てるような、そんな感覚を覚える。

ただ、今回の展示はかなりアーティスティックな作品でガラス工芸についての事前のインプットがない自分は予想よりも感動できなかった。

藤田喬平https://www.ichinobo.com/museum/)の作品みたいな、日常的に使用される器やランプなどをベースとした作品の方が好きなのかもしれない。

日用品でもなく、工芸品でもなく、その役割を超越して妖しい色気を纏う姿に、なんとなくエロスを感じる気がする。

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藤田喬平氏の作品(じゃらん.net(https://www.jalan.net/kankou/spt_04401be2230126460/photo/?screenId=OUW2201


 

長くなってきたので、残りは次回に回します。

【金沢〜富山】一人旅備忘録(5月1日〜5月3日)①

 

 

ぼくは一人でフラフラ旅行することが好きだ。

大学一年の頃、東南アジアを友達と旅行したのだが、お互い見たいものややりたいことが食い違っていたので、二人で旅行したものの結局一人で自由行動をした。

その時、ゲストハウスの人と仲良くなって一緒に観光したり、現地の人との会話を積極的に楽しむことができて、一人で旅することがまるでRPGドラクエのような未開の地をかき分けてすすむ感覚で刺激的だった。以来、海外や国内を一人でぶらぶらしている。

誰かの予定に合わせることなく、行きたいところに好きなだけいることができる。時間の使い方としては最上級の贅沢だと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回は金沢と富山に行った。

理由は東京から金もかからないし、海鮮料理が美味しそうだったからである。

簡単にダイジェスト版で旅行を振り返りたい。

①東京駅発〜金沢駅

新幹線の指定席で行ったが、隣がクソデブ+ワキガで気持ち悪くなった。

デブはじゃがりこチーズ味を着席して10分には食べきり、残りの時間はニンテンドースウィッチで隣に座っていた友人とスマブラに興じていた。

あんな小さい画面で対戦ゲームできるんだーということと、デブの飲み物が南アルプスの天然水であることに感心した。(コーラではないところに彼なりのルールが存在しているのではないか)

金沢駅につきました!うわーいい天気^^

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寒かった。。。


 とりあえず寒いし小雨だし、バスにのって近江市場でお昼をとることにしよう。

 

②近江市場〜21世紀美術館

近江市場は駅から出ている周遊バスで2分くらいで到着する。

激混み!!どこも一時間ほど並ばないと海鮮丼は食べられないそう。GW特需の洗礼を早速浴びた。まあ海鮮丼食べるだけなら東京の築地でたべても一緒だしというすっぱい葡萄理論で列を回避し、行列が少ない、直で単品で提供してくれるお店に並んだ。

 

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激混み具合

 

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ぷりっぷりでした

 

そこから21世紀美術館へ。

ここも1時間待ちの列!ただ、思ったより進みが早そうだったので並んだ。

 

 

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やはり行列!

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例のプール


美術館に入って最初に目に飛び込むのが「例のプール」。特に感動はなかった。

列に並べばプールの下に行ける階段を降りれるみたいだが軽く40分くらい待ちそうだったのでやめた。

プールの下行ってどうするんだ。女の子のパンツでもみれるのか。それなら行く。

 

展覧会はメインが「大岩オスカール 光をめざす旅」

https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1768

よかった。琴線に触れる作品が何個かあった。

しかし、美術品を一眼レフ片手に真剣に眺める女性の眼差しは凛としていて美しいですね(ついてきた男どもは軒並み興味なさそうでしたが)。突然だから戸惑うかもしれないけど結婚してください。今度ご両親に挨拶して、それからのりすけおじさん的なポジションの人にもちゃんとしようね。

 

③ホテル着〜夜ご飯

ホテルは

ファーストキャビン金沢百万石通 https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/167843/167843.html

に宿泊した。

カプセルホテルと通常のホテルの間のような仕様となっていて、価格もかなりロープライス。その割に共用施設が充実しており、大浴場+サウナはもちろんのこと、 バーや食事スペースもゆとりがあってインテリアもグランドピアノを置いてたりと洒落ていた。

ちなみに金沢は宿泊税なるものを今年度より導入していて、

1人1泊について
  • 宿泊料金が2万円未満のもの 200円
  • 宿泊料金が2万円以上のもの 500円

とのこと。具体的な用途としては、

平成31年度(2019年度)当初予算資料

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/4893/1/02ponchi_p.pdf

のP.7に定めれていた。 

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宿泊税の使途の一部(https://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/4893/1/02ponchi_p.pdfより抜粋)

③にもあるけど、今はどこもかしこもナイトエコノミーがトピックとして注目を浴びている印象。

金沢、結構外人いっぱいいたけど夜の繁華街はだらしない服着た地元のにーちゃんばっかり跋扈してたからね。もう少し北陸最大都市としてグローバライズされる必要があるってことなんでしょうかね。

 

そんな僕は昼間は中途半端にしか堪能できなかった海鮮料理をたらふく食べるべく金沢の食べログ居酒屋部門でNo.1の

いたる

https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17000009/

予約する場合は3ヶ月前でないと受け付けないという超強気接客!で、それ以降空いている席が当日席として確保されるようで、「並べば入れる超人気店!」という呼び声もたかいとのこと。

案の定私も待ちました。外の小雨降る中で40分(ただ、ベンチが用意してあって、防寒用のブラケットも用意してあった。お心遣いもすばらしい)。店内に入っても20分待ちました。ただ、それだけまった後の海鮮料理は格別でした。のどぐろは特に!

ぜひみなさんも行ってみてください。

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そのあとは、バーに行ってしっぽり飲み飲みして、最後は気になっていたこのお店に行きました。

志な野

https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17000075/ 

路地裏にひっそり佇むお茶漬け専門のお店で、中はかなり狭い。

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外観

席に着くと10秒でおしぼりとお茶漬けが出てきた。おかみ(ご高齢)曰く

「これたべにきたんでしょ?うちがだす料理は98%これだよ」

とのこと。他にもメニューは飾ってあったけど、だれもそれを頼もうとしなかった。

一緒に働いているご主人(こちらもご高齢)とはときどき言い合いをされていたようで、私の祖父母を思い出しました。

食べているとご主人はお店の暗いはじっこで、焼きあがったシャケを切っていた。背中を丸くして、一生懸命かはわからないけど、淡々と。いままで何十年も繰り返されているであろうその所作に、今日、たまたま僕は巡り合って目の当たりにした。なぜかそのときすごく胸が締め付けられた。なんでだろう。

お酒の後に沁みる味でした。ありがとうございました。

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着席後10秒で出てきたお茶漬け

 

二日目以降は次回に回します。

【読書ログ】みんなちがってみんなダメ〜疲弊する現代人に送るココロの処方箋〜

年末年始は友達とお酒飲んだり、実家でゴロゴロして本と漫画を読みながらひたすら飯と酒を喰らい排泄する生活を送っていた。

 

新年一発目は中田考先生の「みんなちがって、みんなダメ」を読んだ。

みんなちがって、みんなダメ

みんなちがって、みんなダメ

 

 中田考先生は灘中・灘高を出て東大・東大院でイスラーム学を修了した経歴の持ち主で、恥ずかしながらこの本を手に取るまで認知していなかった。

この本は、「君たちはどう生きるか」へのアイロニーを込めた題名となっていて、本編でも盛大にディスって(?)いる。

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

 

正直、「君たちはどう生きるか」を読んだときは、他者と自己の間で繊細に揺れ動く少年の感情を美談チックに仕上げていて、道徳の教科書だなあと、それ以上でも以下でもないという薄っぺらい感想しか出てこなかった。 

さて、この書について先生は、

これはダメですねえ。呪縛の書というか、呪いの書ですね。」

から始まり、

「『自分の生き方を決定できるのは、自分だけだ』とあります。ここからもうダメです。自分の生き方なんて自分で決定できないんでね。それを決定するのは偶然や運ですよ。人は生まれも育ちも、それぞれちがうし、自分の人生を自分で決定できるということ自体が間違っている。」

コペルニクスはたまたま成功したけれども、大抵は世の中で言われていることと違ったことを行っている人間は間違っている。ほとんどの場合、周りに従っていれば正しいんです」(作中の主人公はコペルニクスの生き方に憧れている)

「聞くところでは、小山宙哉の『宇宙兄弟』とかアドラー心理学の解説書としてベストセラーになった『嫌われる勇気』とかを生み出したとても優秀なスタッフが舞台裏で作った本らしいです。皆が潜在的に持っている肥大化した自我を刺激するような話になっている」

その上で、肥大化した自我の受け皿になってくれるような観念を提供し、それが人を縛ることが罪深いと断罪している。

 

今日、今をときめく田端信太郎のツイートでも似たような言説があった。

(イケダハヤトさんの立ち上げた脱社畜サロンをめぐるゴタゴタの中での一言)

 個人で発信して、マネタイズもわりと簡単にできちゃういまの世の中。

「本来はミミズなのに、ヘビのふりをする」ことになってしまい、承認要求がそれに拍車をかけて凝り固まってしまうと、結果的に不幸になってしまうという先生の考えとリンクしているなあと思った。

信仰の世界、先生でいえばイスラーム教には、承認するのは神のみであり、神は基本的に生命として存在しているもの全てを承認しているので、そもそも信仰者も承認要求を持つ必要がない。その後の行いで天国に行くか地獄に行くかもあるが、地獄自体神様が作ったものなので、仮に地獄に落ちたとしてもある意味で神様から承認されている。承認され続けることの安心感というのは、信仰の世界ならではの特権でもあり、翻って経験的世界に住む我々にとっては、承認・評価されることを渇望し、ときには神経症になったりと、、いろいろいらぬ気苦労をし、そんな状況下、承認要求を求めてミミズなのにへびだと思ったり、バカなのにコペルニクスを目指そうするのである。

宗教、特にイスラーム教は得体のしれない存在ではあったけど、信仰を持つことの生きやすさは確かにあるんだなあと思った。

 

 

僕はこの本を機にイスラーム教徒になるとは考えていないけど、自分という人間を深く理解しないまま知らず識らずのうちにヘビの真似をしてみたり、それによって一喜一憂していたこともあったなあ、と読みながら気づいた。

新自由主義的で、自己責任論が蔓延する、すがるものが少ない現代において、そんなに肩肘張らなくても、バカはバカなりに慎ましく生きていくという考えがあるんだ、と知るだけで、昨日よりも少し生きやすく感じた。

もちろんときにはヘビにならないといけないときもあるかもしれないけど、そういう考えがあることを心の片隅にしまっておくことは、疲弊する現代人のココロの処方箋になりうるのでは、とおもった。

 

 「生きる意味なんて見出さなくて良い」

「人の存在に価値なんてない(価値は全て神に属する)」

「老人から権力を奪え」

知らず識らず植えつけられた価値観をことごとくぶち壊していく、まさに劇薬の本で、読後は一種のデトックス感を覚えた。

と同時に、承認要求供給機たるTwitterinstagramなどのSNSも一歩引いた目線で触ろうと思った。