演繹帰納する社会人日記

生き方が定まっていない都内在住20代後半です。

Jazzとわたし②

前回更新から、早いもので3週間経っている。。

最近時間の流れがものすごく早く感じる。だってさっきまでぶらり途中下車の旅見てたと思ったのに、もう有吉反省会というね。

忙しない毎日だけど、また少しだけ過去の青春のひと時にタイムスリップしよう。。

さて、童貞の夢を打ち砕くゴリラのような男が同期となったわけだが、この男がウッドベースがめちゃくちゃ上手い。

聞くところによると、高校時代にすでにビッグバンドを経験済み、エレキベースをかき鳴らしていたとのことでピッチ(音程)、リズム感、ファットな音、全てが完全に仕上がっていて、すでに他大学ならレギュラー※も勤められるレベルであった。

しかも彫りの深いゴリラで、なんと彼女もいた。

 

※ビッグバンドには、YAMANOビッグバンドジャズコンテストという、大学生ビッグバンド(通称学バン)の甲子園的なイベントがあり、それに出られるのが各大学のレギュラーバンドである。レギュラーバンドはサークルの顔として、プロミュージシャンとの共演や出張演奏活動、各大学の学園祭を演奏行脚したりする。レギュラーの対義語がジュニアであり、演奏機会は豊富にあるが、上記のような大学の「顔」としての演奏活動はできない。

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YAMANOビッグバンドジャズコンテスト 演奏風景

※ちなみに、彼は大学を卒業後、大手企業に勤めていたが1年で脱サラ、現在はIT分野で個人事業主をしながら、プロとして演奏活動をしている。

 

「彼に勝たないと、バンドのレギュラーになれない・・・」

入部して早々、絶望感と焦燥感に苛まれたのを覚えている。レギュラーというのはそれほどジュニアメンバーにとっての憧れの的なのだ。

 

僕は、ゴリラに勝たんと猛練習した。

大学の授業が終わったら、ひたすら練習室にこもり練習に明け暮れた。

理想は、自分の身体と楽器が同化するイメージだった。

 

・・・月日は流れ、2年生に。

猛練習の成果か、ある程度納得のいく演奏をできていた。3年生になったら、うちの大学のレギュラーオーディションを受けてほしい、と誘ってくれる大学も現れた。

しかし、僕はどうしても所属大学でレギュラーになりたかった。

実は各大学、それぞれ演奏する曲目には個性があり、自分の大学ではThad jones & mel lewis jazz orchestraというバンドの曲を狂ったようにやっていた。

ぼくはその曲たちが大好きで、前のブログでも紹介したDolphin danceも同バンドの演奏なのである。

 

「ジャズに惚れたきっかけの曲を、大学の顔としてみんなの前で演奏したい。」

 

そんな純粋な思いがあり、僕は同じくレギュラーを目指すであろうゴリラに勝って、レギュラーになる必要があった。

 

しかし、どうしてもゴリラにあって、私にないものがあった。

それは音の質であり、もっと言うと「エロさ」である。

 

・・・音楽というのは不思議なもので、その人の感情・完成がそのままダイレクトに音色に現れる。ことジャズにおいては、「エロい音」というのが好まれる傾向にある。セクシーでリッチな音色のことだ。

そして、実は楽器を問わず誰でも「エロい音」をだすことの出来る秘訣がある。

 

 

それは、”恋”をすることだ。 

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音というのものを、

・一度出したら空気中に離散するものとしか考えられないか、

愛する人をイメージして、その人に一音ずつ届けたいものと捉えるか、、

想像力が音色を大きくかえるのだ。

 

ゴリラには大切にしている彼女いる。一方、その頃の私は佐山愛クンの痴女モノAVにはまる童貞である。AVはエロいが、AVをどれだけ見てもエロい音は出せない。

 

ゴリラの音には技術的な卓越さのみならず、問答無用に人を惹きつけるエロさがあったのだ。そりゃあ勝てない。

 

 

 

しかし、そんな私にも恋をする転機が舞い降りたのである。

急遽サークルに入部したSちゃん。小柄で清楚で、吹奏楽で鍛えたテナーサックスは、すでにレギュラークラスの素養を持っていた。

最初は何も思わなかったが、ある日夢にSちゃんが出てきて、そこから急に気になり始めた。会うだけでドキドキが止まらなかった。ラブストーリーは突然始まったのである。

 

・・・僕のベースの音色はいつしか、Sちゃんにだけ届いて欲しいもの変わり始めていた。

 

 

つづく

 

(おまけ)

好きなthad jones & mel lewis jazz orchestraの音楽を貼っておきます。おやすみなさい。


Compensation - Mel Lewis Jazz Orchestra