演繹帰納する社会人日記

生き方が定まっていない都内在住20代後半です。

Jazzとわたし③

なんと、ほぼ1ヶ月放置してしまった。

前回更新を上回るズボラっぷりだ。ただ、今回は言い訳をしたい。

 

転職活動をずっとしてました!

 

5月下旬に興味がある企業の求人の募集がかかっていて、職務経歴書作成や面接対策に奔走していたのです。

それで6末になんとか内定しました。やっててよかったビズリーチ

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吉谷彩子クンかわいいですありがとう

個人的には家から徒歩でもなんとかいけるし給料上がるし残業時間も劇的に少なくなるしすごく良い転職ができたと思っている。

(勿論、入社してからが本番だし、求めるパフォーマンスもシビアなんだけど)

ここら辺は備忘も兼ねて別途記事にしようと思ってます。

さて本編。

 

Sちゃんに淡い恋心を抱いた僕は、ベースの音もとても甘い音色になった。

秋の文化祭では、Sちゃんをフロントプレイヤーに入れてコンボ(少人数編成のバンド)を組むことになり、練習やその後のご飯など、必然的にSちゃんとの会話も増えていった。

みんなにばれないようにこっそりデートに誘って、音楽以外のいろんな話をお互いした。彼女の言葉、所作一つ一つが宝石のように尊かった。

家に帰ったら

「あそこであんなこと言っちゃったらマイナスの印象だったな。」

「あのマイナスを打ち消すためにメールはこんなニュアンスで返そう」

みたいに、一喜一憂しては頭をフル回転させて反省と今後の施策を打っていた。

恋愛工学的に言えば、お手本のような非モテコミットぶりだった。

 

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ただ、バンドの完成度は上がっていき、文化祭本番も無事成功裏に終わった。

そして、大学2年の11月に満を持して告白した@新宿のサザンテラス

 

結果はOKだった!!

 

僕の人生で初めて恋が実った瞬間だった。

人生を振り返ると、本当にシャイな男だった。好きな女の子ができてもなんのアプローチもできず、潰えた恋は数知れず。

そんな中、自分の力で恋を成就させたことは自分にとって、特別な出来事だった。

 

付き合ってからは間違いなく、お客さんに向けてというよりは、いかに彼女からみてかっこいい様になっているかを意識して演奏していたし、もっというと日常の振る舞いや所作全てがSちゃんの男として恥ずかしくないように磨きがかかっていた・・・ように思う。

 

ただ、僕は気づかないうちに過ちを犯していた。

 

僕の愛が重すぎたのだ。

 

初めて成就した恋愛を失いたくないことに頭がいっぱいで、彼女に愛情をぶつけ過ぎてしまっていた。恋は駆け引きだし、エゴとエゴのシーソーゲームだったのだ。

 

中高時代にミスチルを一切聴かなかったことがこんなとこで仇になった。

 

僕の恋はわずか2ヶ月で幕を閉じた。

 

 

そんな傷心中の最中であったが、大学2年の3月にレギュラーバンドのオーディションが控えていた。

ここで落ちたら僕は学バンをもうやらない覚悟でいた。

他大学のレギュラーバンドに乗るという選択肢もあった。しかし、どうしても愛着あるこのサークルで音楽を続けることに意味があるように思えてならなかった。

 

また、このオーディションの課題曲の一つはDolphin danceだった。

僕がビッグバンドジャズに憧れて、コントラバスを始めるきっかけになった、恩人のような曲。そんな曲を、ジャズ生活の一つの節目で演奏することになったことに、不思議な縁を感じた。

 

受かるか受からないかにかかわらず、その恩に報いるべく、精一杯自分の演奏しようと誓った。失恋の傷心から立ち直るべく、無我夢中で練習した。

 

・・・そして迎えた本番。

3月に入るもまだまだ肌寒かったのを覚えている。

僕は自販機で買ったレモネードで指先の冷えと緊張をほぐしながら自分の出番を待った。

僕の前の演奏者は同期のゴリラ。

抜群のピッチとファットでリッチな音色はレギュラーとしての十分な演奏だった。

 

続いて僕の番。。。

「演奏中は楽器と身体が一体となるように。」

「楽譜を目で追うのではなくて、自分が伝えたいことを音に乗せる」

「ピアノ・ドラムとの無言のコミュニケーションを通してストーリーを展開する」

 

僕がプレイする際にもっとも大事にしていることだ。

愛を伝えるエロい演奏はできなかったが、その時の僕はジャズに出会えたことへの惜しみない感謝をなんとか音に乗せていた。

この日、間違いなくジャズ人生で一番の演奏ができたと思った。

3日後の朝、寒くて曇天だったあの日。新レギュラーメンバーを告げるメーリングリスト、つまりオーディション結果が僕にも届いた。

 

・・・そこには僕の名前はなかった。

 

「あー。おわったかー。」

 

そんなもんだった。

もう僕が憧れていたYAMANO BIGBAND JAZZ CONTESTで演奏することはないし、大学を代表してバンド活動をすることもない。

 

懇意にしてくれる先輩がこっそり総評を教えてくれた。演奏技術はゴリラと互角か、少し僕の方が上。ただ、ドラム・ピアノメンバーとの呼吸や間合いの合い方がゴリラより劣っていたため。

とのということだった。

 

ゴリラはコンボ編成でもいろんなバンドを組んで演奏活動をしていたため、そこでのスキルが結果として差になっていたのだ。

 

文字どおりの完敗だった。

 

・・・半年が経ったある日。

大学3年からはインターンや専門課程に集中したかったので、一旦音楽からは距離を置いていた。

そんな折に、上述の懇意にしていた先輩からメールが入った。

 

「一緒にもう一回ビッグバンドやろうよ!」

 

学バンではないけど、様々な大学のOBOGが集まって編成されたバンドで偶然ベースで空きが出たのだ。そこに乗っていた先輩が僕を誘ってくれた。

一旦は迷ったが、乗ろうと思った。

やっぱり、演奏中のお客さんの熱狂やアドレナリンが分泌される様を、そう簡単二忘れることができなかったから。また、ジャズをサークル時代の一過性の趣味ではなく、ライフワークにしていきたいと思ったから。

あの日以来、そのバンドや他にも社会人になって新たに組んだバンドのおかげでいろんな曲や人、場所に、ジャズは連れて行ってくれた。

そして、今後もお客さんが思わず

"Yeah!"

と言ってくれる演奏をしていきたいと思っている。

まだまだジャズ人生はこれから!!

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【未完】

 

またまた、thad jones & mel lewis jazz orchestraの音楽を貼っておきます。

Mean what you say

という曲です。がこれは言葉遊びで、並べ替えると

Say What you mean!(思ったことをはっきり言おう!)

となります。

音楽で大事なのは、自分の思いを音色に乗せて伝えることだと思ってる。それが相手の心を動かすんだ、と。


Vanguard Jazz Orchestra - Mean What You Say